それは今から9年前、僕が海上自衛隊で勤務していた頃のお話でした。
当時、僕らは正式勤務になる前に自衛官としてのいろはを教わる学校、通称「教育隊」で日々を過ごしていました。
教育隊敷地内は、隊員が寝泊りする隊舎、食堂、売店、プールなど色々な施設がそれぞれ独立して建てられています。
今回の物語は、その施設群のうちの一つ、「食堂」にて物語が始まります・・・
蝉達が自らの存在を証明せんと大声で鳴きまくる。そんな夏ある日のことでした。
訓練と暑さで汗を流した僕ら自衛官の卵は、食堂で夕御飯を食べていました。
この日のメニューはカレーライスとデザートのスイカ。
隊員食堂の先輩方が大声で叫ぶ。
運良くスイカが余りまくっていたので、僕は5切れほどスイカを食べて食堂を後にしました。
入浴のために一度隊舎に戻る途中、事件は起きました・・・
蝉の歌声を聴きながら、僕は夕暮れの空を眺めます。
「あぁ、自然はなんと美しいのだろうか・・・」
そんな事を考えながら隊舎へと歩いていました。
ブリュリュッセル!!!
それは息を吐くかのごとく、自然に出てきました。
あまりにも自然すぎて、最初僕は放屁をしてしまったのだと思いました。
まあ、外だから大丈夫だろうなんて呑気に考えた刹那、その考えは間違いだと気付かされました。
「あれ・・なんだかお尻が生暖かいぞ・・・」
嗚呼・・・何ということでしょうか?
僕は18歳にして脱糞をやらかしてしまったのであります。
それは固体というよりかは液体状のものでした。
おそらくは夕食で食べた大量のスイカでお腹がゆるくなってしまったのでしょう。
この時、僕が真っ先に思い浮かべたのが別の隊舎の同期「H」の存在でした。
彼もある日、僕と同じように大便を漏らしてしまいました。
が、彼はよりにもよって、その味噌付きパンツを自分のロッカー内に隠すという愚行を犯しました。
1週間後、あまりの悪臭にロッカーは開け放たれ、それから彼は脱糞界のオーガとしてぞんざいな扱いを受ける羽目に。
僕も対応を誤れば、Hの様になってしまう可能性もあります。
考えるべきは、この場をなんとしても穏便かつクールに乗り切る方法であります。
が、全くいい案が浮かび上がってきませんでした。
緊急事態というのに普段の訓練で培った知識は全く役に立ってくれません。
まず、このまま隊舎に戻ろうものなら、ケツの悪臭でバレてしまう可能性がありました。
よって、隊舎に帰る前に
1)汚パンツを履いた状態を解除。
2)臭気を遮断して処分するためのビニール袋の確保。
この二つのミッションをクリアする必要がありました。
これらの解決方法を脳内で全力で模索していると、ふとある建物が目に飛び込んできました。
売店です。
幸いにも売店横には公衆トイレがありますので、僕はここで下着とサヨナラすることを決めました。
まず、ビニール袋を手に入れるためにお尻が生暖かい状態で売店で何か購入しなければなりません。
心を落ち着ける為に、店の入口で僕は大きく深呼吸します。
が、後方から漂う自分の悪臭で気分が余計悪くなってしまいましたw
店内は10人くらいが買い物しており、内3人ほどが会計待ちの列をなしていました。
僕は真っ先に目に付いた「コアラのマーチ」を手に取り、列の最後尾へ回ります。
今思い返してみても、このレジ待ちの時間が僕の自衛隊人生で一番ドキドキしました。
僕の背後に別の買い物客が並んだ時は生きた心地がしませんでしたね。本当に。
後ろの彼もまさか自分の前に立っている男が妖怪うんこ漏らしだなんて思いもしなかったでしょう。
結果的に誰にも気がつかれずに、僕は目的のビニール袋を入手しました。
その後はトントン拍子で物事が進み、僕は誰にも気がつかれずにトイレでお尻を拭き、汚パンツをビニール袋で密閉して売店横の燃えるゴミ箱の底深くに処理しました。
ひと仕事終わったあとは、教育隊内の公衆浴場で冷や汗とケツをしっかりと流しました。
こうして僕は後ろ指さされることなく、またいつもの日常へと戻ることが出来ました。
めでたしめでたしヽ(´▽`)/
以上が僕の自衛隊生活最大のピンチのあらすじになります。
皆さんも水分の取りすぎには気をつけてくださいね。
さもないと、僕みたいにいい歳して漏らしてしまうことになりますのでw
余談ですが、かの有名な「徳川家康」は激戦・三方が原の戦いの最中に脱糞したと言い伝えられています。
よって、同じく脱糞した僕が天下を取る日も近いのかも・・・?w
by.ひだりゅー
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